画面のこちら側

取り敢えず色々手を出してみる

ごめんねWUG! -「Wake Up, Girls! 新章」の感想みたいななにか-

WUG!新章が終わったので感想のような何かをだらだら書いていこうかなって思う。

続・劇場版の感想も前後編とともに書いたし、そもそもはてブ自体WUG!について語りたって思って始めたわけだし。

 

各話ごとのなんとやら

WUG!新章は2017年10月より放送された1クールアニメである。アニメーション制作がミルパンセに変更され、監督を含め制作スタッフが大幅に変更された。ライブシーンも3DCGによるものとなるなど、今までのWUG!とは大きく変わったことになる。このことに限らず、新章全体に通して名前を出してはいけないあの人を筆頭になんやかんや騒いでるようだが(新章第1話放送時にcasまでやって)、あんたはたつき監督にはなれないんだから、大人しくしていて欲しいなとは思う。

「私たち、Wake Up Girls!でーす!」

島田真夢によるお決まりの誰かを幸せにできるには云々から始まった第1話。3つ目を言わないのは最終話で言う気だからだろうな。物語は2015年アイドルの祭典で優勝した2年後を描いている。WUGはその波に乗り東京進出したもののという感じで鳴かず飛ばずのようだ(仙台ローカルで冠番組持ってるくせに贅沢言い過ぎである)。2015年に優勝したのにその後あまりパッとしないとかどこかのプロ野球チームを思い出しますね(白目)。WUG!に限らずアイドル業界は暗雲立ち込めており、I-1の仙台シアターは閉鎖され、シングルの売上を見ても不景気の波が押し寄せていた。

さて、WUG!は今回ファーストアルバムを出すことになる。最初の空白の2年間のあらすじ的なとこを見ると、東京進出はしているようだが楽曲を出している様子は見当たらない。作中だけで言えばフルアルバムをだせるようには見えないのだが……? その販促の布石として丹下社長の号令の下、○ステに出ることとなる。その時の衣装候補として出てきたのが極上スマイルの時の衣装……。やっぱり、新曲出してないだろ。そう、思わざるを得ない描写である。流石にということで衣装は新調することになったが、古い衣装で七瀬佳乃がシュシュを作ることになる。グループアイドルにとっておそろいのアイテムは外せない存在なのだが、苦労しながら夜なべして作っている描写にドジっ娘よっぴー(キャスト談)を思い出しホロリときた。

場面は代わりTV収録となるわけだが、久々だからかTV慣れしていないからか残念なことになるWUG。しかし、問題はそこではない。歌った曲が「7 Gilrs War」。作中の時系列で言えば3年も前の曲である。せめて、Beyond the Bottomではいけなかったのか。インディーズ曲ではないからか……? 3年も前の曲を歌うとか、なんで呼ばれたんだお前らは。

対するI-1はというと、こっちもこっちで酷い。披露した楽曲は「止まらない未来」。2年前の曲である。舐めてるのか。鳴かず飛ばずのWUGはまだしも、I-1は押しも押されもせぬトップアイドルである。新曲がないわけがない(実際、新曲があような描写は出てくる)。なぜ、歌わないのか。製作の都合でという言い訳はなしでお願いしたい。
肝心のライブシーンについて触れていなかった。今回の目玉の3DCGはちゃんと動いてる。ただ、不気味の谷を超えてない気がする。多分だが顔に比べて全体的に細すぎるんじゃないかと思う。新しくなったキャラデザに寄せているんだろうが、動かすと気持ち悪さというか違和感が拭いきれない。

○ステでの失態で自信をなくしたWUGだが、爪痕ぐらいは残せたんじゃないかと楽観的な部分もあった(マネージャーの松田も含め)。しかし、丹下社長は容赦ない。インディーズで仙台ローカルのアイドルの知名度なんてあるわけがないというわけだ。メジャーデビューしてなかったけ? あの話はどうなったんだっけ?しかしやることも夢も大きいのが丹下社長。ファーストアルバム引っさげ初の全国ツアーと洒落込むことを計画する。続・劇場版で路上ライブとは言え全国ツアーやったじゃないか。ファイナルは地元・仙台スタジアム。それに驚くWUG(と松田)で第1話は終わる。ここで疑問なのだが、仙台ローカルのインディーズのくせに仙台スタジアムを抑えられるものなのだろうか。仙台スタジアム(笑)なのか社長の政治力の賜物か。こればかりはまだ分からない。

大田邦良「訳ありでソースは出せないのだが、男鹿なまはげは解散。赤味噌は存続の危機」

アイドル業界の不況を表した一面ではあったが、TVシリーズといい劇場版といい、相変わらず雑な扱いである。

「ここが私たちのホーム」

懐かしきWUGワゴン。お前生きていたのか……。

そんな想いとともに始まった第2話。全国ツアーに向けて共同生活することになったWUG。煙草の煙と燻らせながら語る丹下社長だが、タバコのヤニを外に捨てるなと言いたい。

話は共同生活に戻り、引越し作業をする様子が描かれる。大家さんが挨拶に来てくれるのだが、大家さんが話してる最中にポーズをとる菊間夏夜。それが人の話を聞く態度か! 久海菜々美は仲間外れになるのが嫌で親を説得したことをみんなから誂われるが、年頃の女の子が一人暮らしするより事務所預かりで共同生活の方が親御さんとしては安心だと思う。更には島田真夢が絶望的に料理ができないことが明かされるなど、WUGの年相応の女の子らしさが描写される起爆剤となりそうな共同生活である。

一方、事務所では丹下社長がWUGを売り出すためにソロで売り出そうとする。一芸アイドルは長生きしないって教わらなかったか? その第一弾として片山実波と菊間夏夜を料理番組へと送り込む。みにゃみ、ガルウィングはやめろ。血の雨がふるぞ。前回の○ステでもそうなのだが全体的にど下手な司会者しかでてこない。TVに対する偏見というか恨みを感じてしまう。何? きみらはTVに親でも殺されたの?

菊間夏夜の元ヤンらしさが出てなんだかんだ受けたが、WUGにはまたも壁が立ちはだかる。Vドルである。早坂情○大陸デビュー。ドヤ顔で語る。あの早坂相が楽曲提供をすることで大きな注目をあつめたのとことだが、今更Vドルって……。時代遅れにも程があると思う。時代はヴァーチャルYouTuberだぞ!放送当時はそうでもなかったが、その後のヴァーチャルYouTuberの大ヒットを見ると先見の明はあったのかも知れない……?

割り箸を割る描写で場転をするという上手い描写でVドルの話は終わり、また菊間夏夜の話に戻る。前回の料理番組が受け、次々にオファーが来る様になった菊間夏夜だが、その影響で太ってしまう。アイドルとして、そして啖呵を切った手前、一人で抱え込んでしまう菊間夏夜だったが、なんだかんだで開き直りあっさり一件落着。片山実波は嫌われたのではないかと不安になったり、かやたんは食べても太らないみにゃみのことを嫌ってるぞこっそりランニングをしたりだとか、アイドルアニメらしい描写だったなと思う。ただ、本当に痩せたいならランニングじゃなくて筋トレがいいらしい。ダイエットのために筋トレをするアイドルが観てみたい。

林鼓子「ねぇねぇ、二人は仙台の名物と言ったら何が好き?」

ぼくは仙台名物ならせり鍋が一番好きですね。

「ポニーテールは本体です」

松田ぁ! 所属アイドルに書類整理手伝わせんな!

次々と活動先が決まる面々。それに向けどこかズレたトレーニングをする様子が描かれる。あめんぼあかいな云々は滑舌のトレーニングだったけな……。声を出すとか腹式呼吸のトレーニングだったと思うぞ。

まずは、久海菜々美と岡本未夕である。二人はいちごちゃんやLuminousもでたことで有名なトーク番組にでる。しかし、二人は司会者の某芸人の酷すぎるフリに対応できずカットされてしまう。対する相沢菜野花はしっかりと対応し、トップアイドルとしての貫禄を見せつける結果となった。しかし、鈴木萌歌もそうだったが、新章とそれ以前とでキャラが大きく変わった印象を受ける。確かに相沢菜野花はへっぽこ番長と呼ばれてはいたが、眼鏡がないと生きていけないんですぅ~などいった頭の悪そうなことは言わなかったはずだ。鈴木萌歌はもっと酷い。彼女はプライドと自信の化身である芯のある女の子だった。だが、今回はどうだ。ただの小生意気なガキだ。ただ、この二人は以前から出番が少ない。ぼくが勝手にイメージを作り上げているだけという可能性もある。しかし、この違和感は次第に大きくなっていく。

ぼくらの主人公林田藍里は仙台ローカルのニュース番組の位置コーナーを、七瀬佳乃はモデルの仕事を始める。仙台ローカルでモデルやってた設定はまだ生きてたんだな。でも、あの頃の尖ったナイフみたに気高く輝いていただったよっぴーはもういない……。

しかし、方々でアイドルらしさを求められ困惑する。先の二人も相まって、アイドルという仕事に戸惑うWUG。東京で生きていけなかった地方アイドルらしさが滲み出たが、さすがの行動力である。ふっきって思い思いの活動を始める。菊間夏夜はブログを、岡本未夕は配信をと行ったように。今更生主かよ。だから今はYouTuberなんだって。全体的に古いぞ。この行動力の高さ、切り替えの早さは丹下社長の愛弟子と言った感じであり、ぼくも見習って行きたいなと思う。

番組出演でもらしさ全開で挑む。ニュース番組にはシャーク林田が現れ、3年前にあれで天気予報とかやってたじゃねーか。今更何驚いてるんだよ。料理番組ではうんめーにゃを民謡調で表すなど、みにゃみの民謡上手い設定も生きていたのか。おばあちゃんも草葉の陰で喜んでいるぞ。新たな一面をだし着々と存在感を増していく。

「美味しい時はうんめーにゃー!」

その異端さもありなかなか仕事が決まらない島田真夢だったが、岩崎志保とのW主演でドラマが決まる。島田真夢は女バスのエース。岩崎志保は美術部員の約であり、どちらも想い人が一緒になる。事故により二人して予知夢を見ることとなり、想い人が被ってしまうのだが、どこぞの司令官を思い出してしまう。無難に上手い絵を描くも、普通すぎて差し替えになる描写が入るなど、これまで多くを語られなかった岩崎志保の露出が増えるのは素直に嬉しい。制作記者会見ではI-1の元センターが主演とあって、かなり意地の悪い質問が飛ぶが、さすがはI-1の伝説的センターに絶対的センター。しっかりと芯の通った受け答えであった。I-1が二人が以下に厳しい環境化を戦ってきたかが分かる。なんだかんだ岩崎志保が博多にネクストストームに愛情を持っていたのが嬉しかった。

順調に進んでいた撮影だったが、突然問題が降ってくる。3代目センター鈴木萌歌の骨折。その穴を埋めるかのように岩崎志保をI-1に復帰させる。だが、以前の白木さんならここで岩崎志保を呼び戻すことをしただろうか。ステージから奈落に落ちるというらしくないことをした鈴木萌歌がセンター失格は分かる(作中の言葉を借りれば運もセンターには必要)。しかし、岩崎志保もセンター失格を押された身である。売上という実力で帰ってきたなら分かるが、ネクストストームは決して順調ではない。それどころか、地方アイドルとしもあんまりである。白木さんはアイドルに対してかなり厳しいものを強いている。だからこそ、トップアイドルを育て上げられたし、彼女らもついてきたのだ。そんな彼がなんにも成せていない岩崎志保を呼び戻すだろうか。前述したが、新章では今までの積み上げてきたキャライメージからズレているとう言うか、ぶち壊している。そんな印象を受ける。

さて、舞台はドラマの撮影に移る。ここらへんから止め画が多くなる。画が動いていないのである。スタッフがとても苦労しているのが伝わってくる。現場はとても甘いらしく、エキストラに参加した新キャラの3人、特に速志歩はエキストラとして失格と言ってもいいことをしていたのにも関わらず、スタッフからの怒声は一切なかった。甘い現場である。神対応をする主演の二人に、というか島田真夢の対応にWUGへの憧れを強める速志歩。画がまともに動いてなかったのも相まって、とても雑に見える描写である。自分たちの背中を追ってアイドルになった娘たちが出てくるというのはアイドルアニメとしてとても重要な話だ。彼女たちの存在がアイドルを輝きの向こう側に連れて行ってくれる。ぼくはそう思っているからだ。だからこそ、丁寧に書いて欲しいのにこの雑さである。怒りが収まらない。

これに限らず全体的に雑である。例えば、I-1のシングル曲の売上の方向がなされるシーンだ。売上を表した棒グラフには16th17thシングルの売上は乗っていない。しかも、ドラマタイアップである新曲の一つ前の曲は続・劇場版での曲だ。Sステでもそうであったが空白の2年間を作中でも空白にしてどうする。そういった細かい所にこそ力をいれないでどうする。雑に描き過ぎである。アニメとは言え、作中では普通に生活があるんだ。ちゃんと生活を感じさせてくれ。作り物感を出しては創作物の敗北だ。

女子高生「肩コリの話とかしないの?」

岡本未夕がドラマの撮影で疲れている島田真夢の肩を揉んでいるシーンでその豊満なものが見えた時、ふと頭に天然な女子高生の声が響いた。

「同じ夢を見てる」

W主演が元I-1センターのドラマの主題歌を歌うことになったI-1。とても屈辱的だと思うが、それをおくびにも出すことなくSステで披露する。小早川ティナは初科白なのに背景が喋っていて、毎回毎回扱いが悪くて泣ける。さて、肝心のI-1の新曲だが、シルエットで全く映らない。こういうところに3DCGモデルが作れませんでしたが滲み出る。

順調に進んでいるドラマの撮影の合間を縫って、博多に帰還した岩崎志保。そんな彼女を笑顔で迎えるネクストストームの3人。志保さんが帰ってきて嬉しいだのなんだのを言っているところに、アイドルとしての一つの道の答えを見た。当たり前だが、岩崎志保が抜けていた間のライブの入りは悪かった。I-1の現状を知っているだけに、心配する岩崎志保に対し、ネクストストームの3人は志保さんが帰ってきてくれたから大丈夫だと返す。大丈夫じゃねーだろ。自尊心はないのか。それでも、アイドルかよ。

???「ネクストストームは岩崎志保ありきのユニットなんだよ」

もっと頑張れ。岩崎志保という絶対的センターの背中を見て育った娘たちがこれでは悲しくなってくる。

話はI-1に移る。業績悪化を受け、地方シアターを次々に閉鎖することになる。地方シアターと掛け持ちの娘がいたり、新潟にもシアターあったりと、そう言えばあのグループアイドルがモデルだったなと思い出す。この時、東北地方を映さなかったのは采配か偶然か……。偶然だろうな。地方シアター閉鎖で悲しんだり動揺したりと、完璧超人の集まりだったI-1にボロが出始める。新章のI-1は良く言えば非常に人間的であり、年相応の女の子である。しかし、だ。早坂相が来たぐらいでレッスンを止めるのはどうなんだ。今までのI-1ならそんなことはしなかったはずだろ。厳しいレッスンに裏打ちされたプロ意識。これがI-1だったはず。

そして今度はWUGに話が移るのだが、背景が喋りだす悪夢がまた始まる。冒頭のダンスシーンと言い、明らかに間に合っていない。1ヶ月くらい休んだほうが幸せになるのではと思うが、名前を出してはいけないあの人がやらなかった総集編を今回のスタッフが挟むわけもなく……。話はそれたがここ最近の活動で獲得したファンをガッチリ掴もうとバスツアーを計画する。アイドル……バスツアー……。うっ、頭が……。仙台を1泊2日で回るそうなのだが、泊で行くほど仙台市内に観光地はないだろと思う。

そして、VドルマキナXがメジャーデビューすることが決まる。それぞれのアイドルに転換点が訪れている話だったのだが、現場が追いついてこないので、もうどうでもいい。

「1人でもWUG!7人でもWUG!」

バスツアーが始まる。弱小事務所のくせにバス2台を貸し切り、ついでに八木山動物公園秋保温泉の旅館をも借りるという大勝負にでる。しかし、新章では上田麗奈さんが取り敢えずたくさん出てくる。上田麗奈の便利屋感が本当にすごい。困ったら上田麗奈。困ってなくても上田麗奈。西海岸のとある野球チームに移籍した某投手みたいな扱いである。

WUG一行は八木山動物公園に移動する。仕事が押して片山実波が参加できない中、WUGメンバーを捕まえて云々という企画物AVみたいなイベントで盛り上がる。そして、一行は今夜のお宿・秋保グランドホテルに。

この回は端的に言って酷かった。特に秋保グランドホテル以降は酷さが加速する。作画崩壊はWUG!の伝統。そう思っていても、これは耐えられない。ネタにされていたTV版を遥かに超えていく。背景が喋りだす。それはもう凄いくらいに。ここまでくれば背景も止め画にすればいいのに、なんだかんだ動くもんだから、観ていて気持ち悪くなる。

そうは言っても話は進み、宴会場でお待ちかねのライブとなる。ここで6話にして新章初のいくぞがんばっぺなんとやらがでてくる。そうまで引っ張った意味はなんなんだ。しかし、片山実波まだ来ない。仕方なく6人でライブを始めるが、ファンクラブイベントに参加するような熱心なファンは納得がいかず、イマイチ盛り上がりに欠ける。そこで、久海菜々美の提案でトラの着ぐるみ(片山実波の担当はトラ)を着て、片山実波のパートを踊ればファンも喜んでくれるのでは、と。

ファンへの冒涜だ。ふざけた話である。しかし、誰も反対はしない。お前らもプロなら賛同するな。

ぼくが怒ったところでアニメの内容が変わるはずもなく、ワグ・ズーズーを歌う。ライブシーンは久々の3DCGなので、とても綺麗に動く。サビに入ろうかというところで、久海菜々美が狼の着ぐるみからトラの着ぐるみに着替えるのだが、どう見ても観客から丸見えである。着ぐるみとは言え、アイドルがライブで使うものだ。もちろん、顔が出てる。なのにも関わらず誰も気づかない。ファン失格だろ。担当アイドルを着ぐるみで判断してるのか。ライブ会場なら証明の力でなとかなるかもしれないが、ここはあくまでもホテルの宴会場である。そんな豪華な設備はない。そして、転んで中の人がバレる失態。普通なら暴動が起きてもおかしくない状況だが、ファンは爆笑の渦。ななみん可愛い。ファンになりそうの一言も聞こえる。お花畑な温かい観客に感謝がつきない。

片山実波も合流し、無事にライブも終わる。速志歩はWUGとの交流の楽しかった思い出を振り返りながら歩いていると、扉が開いた部屋を見つける。隙間から見えるのはWUGの着ぐるみである。興奮のあまり部屋へと入っていく速志歩ふぁが、楽屋代わりに使ってる部屋の扉が開いてるからって入るか普通。人としてもそうだが、ファンとしてもやってはいけない行為だろ。憧れの島田真夢が着ていた着ぐるみに目を輝かせていると、不審に思った島田真夢が部屋に入ってくる。

ここから先は本当に酷かった。それはもう、こんなものを放送するなと思うぐらいに。

速志歩はとっさに着ぐるみに入って隠れるが、島田真夢は見事にこけ持っていたトマトジュースをしろくまの着ぐるみ(担当は七瀬佳乃)にこぼしてしまう。直後にやってきた岡本未夕も加わり、温泉で着ぐるみ洗うことになる。なぜバレない。なぜ温泉で洗おうとする。大事な衣装を汚してしまったのだから、まずは丹下社長か松田さんに連絡するのが筋であろう。業界に長くいる島田真夢がその筆頭だと言うのもおかしい。それにだ。大浴場に持っていくというのもどうか。公共の場所である。そこに着ぐるみを持って洗うなどというのは常識の欠片もない。せめて、ホテルの支配人や従業員に一言断れよと思う。温泉でのシーンも酷い。なぜバレない。とても寒いシーンである。これで笑いを取ろうとでもしていたと言うなら、本当にどうかしてると思う。

繰り返しになるが、この回はスタッフの限界がピークだったと思う。このシーンでも背景が喋りだす上に、背景がズームしたりちょこちょこ入れ替わる。そんなもんだから、どこぞの動画サイトにアップロードされた違法動画を彷彿とさせる。

温泉でのやりとりも適当に部屋でくつろぐWUGメンバー。ファンのひとも喜んでくれたし。私たちも力を貰えたしで、バスツアーやってよかったねと、あんなことさえなかったら普通に良いシーンだったなと思う。そして、突然呟く島田真夢。ぽえみーまゆしぃ再び。

七瀬佳乃「全員揃ったところでとびっきりのニュースがあります。皆さんに一番に伝えたかったんです。」

メンバーの結婚かな?

「特別編 わぐばん!新章」

dアニメストアでは配信されない。今の居住地域をなんだかんだ気に入っていたが、関東地方を離れたことを後悔したのは初めてだった。

「キツい時ほど笑ってナンボ」

I-1に大きな波が押し寄せる。鈴木萌歌センター降格。近藤麻衣キャプテン降格。吉川愛新キャプテン。いとも簡単に崩れていくI-1。この辺りは悲しかった。ぼくはI-1に夢を見ていたんだ。そう思った。

アイドルになりたい思いを捨てられない速志歩は守島音芽と阿津木いつかを誘い、グリーンリーヴスにアイドルやらせて下さいと直談判にいく。当たり前のように断られる3人だが、松田さんが抱えていたチラシの山を目ざとく見つける。松田ぁ! チラシ配りを一般人にやらせてんじゃんねーよ!

無謀にも仙台駅西口にチラシ配りに行く3人。チラシを一枚も配ることが出来ずに帰ってきた女子中学生に丹下社長は厳しく言い放つ。笑顔が上手く出来ずにアイドルが務まるか。きつい時こそ笑えとは剣道部時代を思い出すな(遠い目。

笑顔という大事なことに気がついた3人はめげずにチラシ配りを続ける。なんとかチラシを配れた3人だが、意外とビッグマウスである。WUGにはなかった一面だ。そして、またまた上田麗奈チラシを完パケさせたことを武器にまたもや直訴に行く3人に根参った丹下社長がオーディションをする。結果はまぁあれでしたが、島田真夢の寛大な心と鶴の一声で研究生扱いでアイドルになることができた。チラシ配りの様子を見て、吾妻橋の頃のI-1を思い出したからだと言う。ここだけは汚すんじゃねーぞ。

なんだかんだ連絡を取り合ってる島田真夢と岩崎志保。博多で楽しくやっている岩崎志保に白木さんから連絡が来る。東京に戻ってこい。だから、白木さんは戻ってこいなんて言わねーよ。所属アイドルと連絡なんか取らねーよ。

大田邦良「アイドルとファンの間にあるステージという境界線は決して超えないこと」

誰かさんに聞かしたい至言である。

「進んでるって信じて」

ファーストアルバム、そして全国ツアーに向けて電車内広告を打つ。全国ツアーといい、バスツアーといい、広告費といい、相当な大金を積み込んでいる。これでコケたら倒産だろう。大きな博打である。

ファーストアルバムと全国ツアーの目玉に描き下ろし曲を早坂相に連絡を取っているファ、なかなか連絡をくれないツンデレ早坂相。I-1といいWUGといい、早坂頼みから卒業しろと言いたくなる。

RGRに対し姑とかした社長。それを横目に全国ツアーの内容を考えるWUG。お芝居を入れたいとか思い出したかのようにハイパーリンクをいれてくる。そこへ珍しく仕事を撮ってきた松田さんが飛び込んでくる。NYAONの仙台ローカルCMだそうだ。思い出したかのようなハイパーリンク。そして、チャリティコンサートを開くという。思い出したかのようなハイパーリンク

対するI-1では新キャプテンとなった吉川愛がその重圧に耐えきれずにいた。レッスン後にアイコンタクトで岩崎志保を呼ぶ白木さん。それに答える岩崎志保。そういう関係?博多シアター閉鎖にネクストストーム解散を告げられる。売れないままではと告げる白木さんだが、岩崎志保を戻すという結論は変わらない。鈴木萌歌とのセンター争いに破れ、左遷された地でも成果を見せることができなかった岩崎志保をI-1に戻すだろうか。戻すならI-3ではないか。そう思えてならない。

天下のI-1がこうならWUGもである。ファイナルライブのチケ売上が芳しくない。京進出に失敗したしがない地方アイドルが仙台以外のドームをSOLD OUTさせてる時点で十分凄いと思うが、地元仙台での売上が芳しくないことを心配するアイドル。松田ぁ! 所属アイドルに余計な心配させるな!悩んだWUGは自分たちでできることをやっていこうと奮起する。菊間夏夜のいいじゃん、やろうよが遂にでる。

まずはNYAONのCMイベントに来た人をファンにしようと精一杯踊るが、イベント来てスマホを見てるという何しに来たんだという男性を見つけ絶望する。CMを観てファンになるってよっぽど可愛くないと難しいので致し方ないと思うが、大きなショックを受ける。やはり、最強のツンデレワグナー早坂。相応しくない歌詞だったら没収だぞはーとと条件をつけているが、なんやかんやで楽曲を提供してあげることなる。

しかし、作詞という初めての経験に戸惑うWUG。前回喧嘩してる?っていうアドバイスをしてくださった頼れるTwinkle姐さんも大したアドバイスをくれることなく、更に瞑想していくWUG。

そして、早坂がVドルのために渡米した。

「WUG!と言えば・・・・・・?」

ソロ活動が忙しくなり全体レッスンに集まれなくなるWUG。社会人の基本はホウレンソウだぞ。不穏な空気が流れ始める中、またまた、WUGらしさについて悩む彼女ら。続・劇場版で通った道をまたもや通ることになる。

そんな悩みはメンバー間の軋轢を生む。ハモリパートで主旋律を片山実波にとられる久海菜々美は、せっかくとった歌のお姉さんのしごとも上手くいかない。対する片山実波は絶好調で、その天真爛漫さをと歳が近いこともあり、喧嘩になる二人。

対するI-1では鈴木萌歌が何の脈絡もなく新ユニットに落選する。更に白木さんは集客力のないアイドルの祭典を切り、全国ツアーを開催することを宣言する。直前の開催宣言にも関わらず、アイドルの祭典よりチケットが売れると判断したのはI-1のなせる技なのだろうか。I-1の相談役と化した島田真夢に岩崎志保が弱音を吐く。劇場版で「アイドルが楽しいって真夢が言ってた気持ちが分かった」と曰わった岩崎志保も新章では「真夢がI-1やめた気持ちが分かった」である。

話はWUGに戻る。タチアガレ荘と名付けていたことが判明した家の掃除は、岡本未夕曰く仕事もなく暇な林田藍里が一人でやっていた。このままではとRGRの3人がお掃除をしにいくこととなる。ボードを何の確認もなく消すマイペースな阿津木いつかが映ったりするが、初めてできた後輩に嬉しさを隠せないWUGがそこにはいた。

ドラマ関連番組収録のため東京に言っていた島田真夢が、新幹線に乗り遅れたと全体練習に遅刻する。納得がいかない七瀬佳乃はその理由を追求するが黙秘権を行使する。泣きっ面になんとやらで、焦ってシュシュをなくしてしまう。これが拍車をかけ、二人のなかは険悪ムードになる。もう一組喧嘩していた二人がいたが、冒頭以外ではこれっぽちも触れられない。チームの軋轢を仕事に持ち込む七瀬佳乃だったが、吉川愛は持ち込むことなく仕事をこなし、トップアイドルとしての実力が垣間見えた。

キャプテン同士(正確には七瀬佳乃はリーダーだが)話を交わす二人だったが、吉川愛の何気ない一言で真実を知る七瀬佳乃。真実を知った七瀬佳乃は島田真夢を追求するが、不倫を疑う彼女と追求される彼氏にしか見えなかった。なんやかんやでシュシュも見つかり仲直りする二人だが、TV版では1話引っ張ったくせにあっさりと仲直りするので、チームの危機だとかWUGらしさを追求するような展開には全く見えなかった。更に冒頭以降全く触れられなかった片山実波と久海菜々美も知らぬ間に仲直りしており、全体的に雑である。チーム間でのコミュニケーション不足解消のために、交換日記という一昔前の女の子みたいなことを始める。

島田真夢「しほは昔の私。守れたい人を守れなかった」

吾妻橋の頃の話やこの頃の話が描かれることはもう一生ないだろうな。悲しくもあるが、今の現状を見るにそれが一番幸せだとも思う。

「新芽を出せ!」

開幕上田麗奈。Vドルがアメリカの大手IT企業と提携し、全米ライブを敢行することなる。ニュースキャスターはVドルがアイドル界を取る日も近いと言っていたが、無理だと思う。ぼくの勝手な偏見だがドルオタには受けないだろ。ドルオタが一番嫌いそうじゃないか。

なんとか歌詞を完成させたWUGだが。早坂は「イモはイモでいいけど」と滲み出るWUGへの愛厳しい評価を下す。ここでWUG全国ツアーの開催箇所が見られるのだが、盛岡でライブを行うようで、新潟はまだしも盛岡で……?と疑問が浮かぶ。

マキナXの披露会見後の会食で、マキナXは大成功だと大はしゃぎなIT会社社長に、早坂相は単に目新しかっただけですよと冷たい。早坂の言う通りだと思うが、これすらも分からないって大丈夫か。その程度でよく自分の会社を大企業にできたな。そして、早坂に会いたい人がいるとノートPCがでてくる。ダルマの老人である。劇場版後編でもいなかったことにされた鎌倉の老人が突然出てくると流石に驚く。

マキナXというか米大手IT会社企業のお金の力は留まることを知らず、WUGのTV出演キャンセルさせ、マキナXをねじ込むという暴挙に出る。お金の力ってしゅごい。

WUGのアンダーに言い訳ばかり言って、レッスンに加わらない研究生にイライラしたりしていると、WUGが丹下社長に宣伝のためにゲリラ路上ライブやらしてくださいと直訴する。結局君らはそこからなんだなと感慨深くなる。ビルの屋上でライブをしたり、仙台に屋上を開放してるビルなんてあったけな……?ハイパーリンクはどうした。岡本未夕が勤めていたメイド喫茶でライブをしたりと精力的に路上ライブに励む。劇場版や劇場版後編ではもっと過酷な場所でやっていたのに丸くなりやがって。LUVYAも外見が変わったなーと思っていると、岡本未夕は解散したはずの男鹿なまはげーずのチラシを見つける。なぜ秋田の地方アイドルの宣伝チラシが仙台のメイド喫茶に置いてあるのだろうか。確かに岡本未夕は私がお世話になったメイド喫茶と言っていたので、仙台にある岡本未夕が元いたメイド喫茶だと思うが(外装は違えど内装は以前のままだったと思う)……。岡本未夕は嬉しさや感動に押され、男鹿なまはげと自信の配信番組でコラボする。同じ地方アイドルとして感じるものがあるのだろう。もう少し早くこの路線を出しておいて欲しかった。

ゲリラ路上ライブなどを通してWUGらしさを掴めたWUGはあれよあれよと言う間に歌詞を完成させる。及第点だ。歌っていいよと。わざわざ電話で報告する早坂相。本当にWUG大好きなんだな。

そして、マキナX陣営による仙台スタジアム買収。TV番組の出演権どころか仙台スタジアムを買収って、米IT企業のマネーパワーの恐ろしさが止まらない。しかし、I-1ドームならまだしも、仙台という田舎のスタジアムを買収する意味はあるのだろうか。描かれていないだけど、大阪や名古屋、福岡も抑えてあるのだろうか。

「私たちにできること」

買収問題に太刀打ちできるはずもなく、仙台スタジアムでのライブが中止になる。現実だったら大問題だが、WUG(と大田)以外対して話題にしていないのはいかがなものか。

博多シアター閉鎖にネクストストーム解散が執行される。I-1に戻る岩崎志保に欠けたネクストストームメンバーの一言一言が泣ける。完全にI-1のご意見番と化した島田真夢は岩崎志保を慰めるため、吉川愛と岩崎志保に会いに行く。元カノに会いに行く彼氏とついていく彼女。何を言っても白木さんの命令は絶対だから、一度決めたことは絶対やるからの一点張りの岩崎志保。白木さんのアイドル論が正しく伝わっていないことに悲しくなるが、白木さんを説得するため島田真夢は単身彼に会いに行く。この時、丹下社長が白木さんに電話することになるのだが、ここはもう一声あっても良かった。白木さんのもとでアイドルをしていてたという設定が唐突に続・劇場版で明かされたのだから、それを活かしても良かったのではと思う。

白木さんと徹底的にアイドル論を戦わせる島田真夢だが、白木さんは意に介さない。アイドルの前に一人の人間です、WUGは7人いるから完璧なパフォーマンスができると食い下がる島田真夢。

白木徹「アイドルに必要なのは連日の徹底した努力とそれにともなうメンタル。アイドルに馴れ合いなんていらない」

白木さんはアイドルを人間として見ていないわけじゃない。あくまでも、プロとして見ているわけだ。人はアイドルに女の子らしさや可愛らしさを求めているわけじゃない。アイドルを求めている。そう、白木さんは思っている。アイドルはなるものじゃなく、作られるものだ。ぼくはそう思っている。しかし、白木さんはアイドルは作れると思っている。だからこそ、I-1を作ったのだ。そうではないのか。

島田真夢の白木さんとのバトルは週刊誌にすっぱ抜かれる。WUGは白木さんの策略だと起こり、I-1は週刊誌如きに踊らされる。ふざけた話である。あのような厳しいアイドル論を持っている白木さんが黒い芸能プロダクションのようなことをするわけがないだろう。そして、I-1である。堕ちるところまで堕ちたものである。週刊誌如きに何を騒いでいるのだ。かつての鬼軍曹近藤麻衣であったら、他のメンバーを叱っていただろう。そんな中、新キャプテン吉川愛だけは揺るがない。そうだ、それでいい。それが本来の君らの姿だろう。そんな折、I-1を脱退した岩崎志保の代わりにセンターユニットに参加する鈴木萌歌。鈴木萌歌はいつだってお下がりだ。プライドの塊たる彼女はとても悔しいだろう。それでも、鈴木萌歌は歩みを止めない。お下がりで満足する彼女ではないからだ。

ファイナル会場が中々決まらないWUGに朗報が訪れる。ファイナルの会場はなと仙台空港跡地……跡地!? いつの間に仙台空港は潰れていたのだろうか。現実とのハイパーリンクを謳っているWUG!のことだ。仙台空港閉鎖の情報でも掴んでいるだろう()。驚きを隠せないが、話は特に説明もなく進んでいく。会場作りを女子高生と女子中学生だけでやるという荒唐無稽なことをやったり、マキナXのクリスマス・イブ日本ジャックライブに対抗して同日に地方アイドルで同時ライブやろうと提案したり、と。もう、面白いくらいにぽんぽん話が進んでいく。

初めてできた後輩が可愛くて仕方がないWUGは、RGRの3人をライブに出したいという。WUGの我が儘に根参った丹下社長はTwinkle姐さんが作った楽曲を出す。前座でこれを歌えというわけだ。なんだかんだ丹下社長は甘いのである。この下りでRGRのユニット名が雑に決まり、雑に紹介されたのは酷かったと思う。アイドルにとってとても大事な自己紹介パートがあれでは、本当にアイドルアニメを作っているのか不思議に思う。そもそも、こんな終わりまで引っ張るのであれば、事前に名前なんて後悔しなければ良かったのにとすら思う。

「明るいほうへ」

開幕上田麗奈。マキタXばりの起用である。漸く始まったWUG全国ツアーファイナル公演。関係者席(笑)にはTwinkle姐さんや仮設住宅で暮らしている片山実波の祖母とそのお友達も来ており、TV版を観ていた人には懐かしい面々が観られる。おばあちゃん達設定は生きていたのか。しかし、客のみんなが薄着である。冬の仙台の寒さを舐めてはいけない。この時期の屋外ライブでその格好では死人が出てもおかしくないと思う。

前座としてでていくRGRの3人。とても緊張している様子や屋外ステージは劇場版を思い出させる。ここでぼくらの主人公林田藍里さんの成長っぷりが観られる。緊張している3人にシュシュを渡す。それが力になり……だと良かったのだが、そこに待っていたのはまた茶番だった。最終回の、最後のライブシーンの前の前座でこの茶番は流石に怒りが収まらない。ライブシーンは目玉の3DCGであり、いつだかのI-1とは違いCGモデルが間に合っていた。

RGRのライブも終わり、次はお待ちかねのWUGのライブが始まる。この時、島田真夢が速志歩の肩を叩いていく描写は良かった。ライブは七瀬佳乃の名前を出してはいけないあの人の歌詞批判から卒業生の贈る言葉が始まる。メドレー曲を流すとかアイドルらしいことやってるじゃないか。3DCGのライブは最終回だけあって力も入ってるし、相変わらず曲もいい。もう歌だけ歌ってろ。

そして、I-1である。誰よりも激しく。誰よりも美しく。誰よりも正確に。お決まりの言葉から始まるライブだが、新章のI-1を観ていると、とても空虚な響きに聞こえる。あの頃の気高かったI-1はもういない。

真のセンターを発表することになるのだが、プレゼンターはマキナXだと言う。米大手IT企業の資金力はI-1をも飲み込んでいた。真のセンターに選ばれたのは鈴木萌歌だが、彼女には喜びも何もなかった。私は誰にも負けない。そう涙した鈴木萌歌。そうだ、それでいい。それこそがI-1クラブであり、鈴木萌歌なんだ。

ここで電波ジャックが起き、全国で同時ライブをしている地方アイドルの映像が流される。普通なら暴動が起きてもおかしくないのだが、誰も気にしない。それどころか、島田真夢がよかっただの、岩崎志保が頑張っているなどがネットに書かれる始末。新章はネットやオタクがお花畑であり、TV関係者を悪意ある演出で描いている。スタッフが誰を憎んでいるか分かってしまうような描き方だ。いや、オタクはこういうのが好きでしょ?と思ってるのかもしれない。兎に角、不愉快である。

WUGやVドルのライブでは降雪と寒波でシステムがダウンする演出が始まる。意味が分からない。都内で「八甲田山死の彷徨」をやったあのアニメがマシなレヴェルである。そして、謎のジャンプ。何がしたかったのかよく分からないまま、物語はクライマックスを迎える。予想通りの島田真夢の誰かを幸せにする云々だ。

 

ぼくが愛したWUG!はもういない。

 

 島田真夢「みなさ~ん。灰になる準備はできてますか~」

スタッフもぼくも誰一人として灰になる準備は出来ていなかった。

 

ごめんねWUG!

新章は名前を出してはいけないあの人が関わっていたWUG!を断ち切るかのような作品だった。そういう意味では、正に新章という感じであろう。高校時代にギャルと付き合っていたことが判明した松田さんのあの科白もなかった。アニメ本編も秋葉原や沼津を舞台にしたあのアニメみたいであった。何もかもが今までとは違っていたのである。それがいいか悪いかはひとそれぞれであろう。しかし、そうまでして生み出したのが、こんなんではあまりにも酷い。

そもそも、Vドルを取り上げた意味は何だったのか。新章ではVドルだからこそできるものがこれっぽちも描かれていなかった。描かれていたのはバックについた企業のマネーパワーだけである。これならアジアのアイドルでもアメリカのアイドルでも良かった。莫大なお金を武器に強引な戦略なら、外タレでもいいのだ。なぜ、Vドルなのか。そこを描かなければ、何の意味もない。それどころか、ライバルとしても描かれなかった。なんとなく名前がでてきて、大した活躍もなくモブと同じ扱いである。描くべきもの描かず、どうでもいいところを描く。それでは駄目なのだ。本当にふざけている。これは本当に許せなかった。

端的に言って酷かった。それしか言えない。そんな感じだった。では、名前を出してはいけないあの人だったら、こうはならなかったのかそんなことはない。続・劇場版後編の時点でWUG!はもう終わっていたのだ。新章で息の根を止められた。WUG!の妄信的信者たるぼくだが、もうWUG!で騒ぐことはないだろう。アイマスがなんだ、WUG!が最高なんだ。それを言うためだけに、アイドルアニメを観はじめ、はてブまで始めた。だが、もう終わりだ。ついていくことはない。WUG!との決別。それが新章の最大の功績である。