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果たしてトールは本当に女の子なのだろうか? -アニメ『小林さんちのメイドラゴン』感想みたいななにか-

みなさんは『小林さんちのメイドラゴン』というアニメを観ているだろうか。クール教信者先生原作のアニメであり、制作はみんなが大好きな京都アニメーションである。トールが可愛すぎて、毎週語彙力を失ったオタクになってしまう。だが、ここで一つの疑問が浮かぶ(浮かばないとは言ってはいけないトールは本当に女の子なのだろうか。男の娘なのではないだろうか。

 

トールが女の子である証拠を探そう

第1話 史上最強のメイド、トール!(まあドラゴンですから)

二日酔いに苦しむ小林さんのもとに来た一人のドラゴン。トールが世を忍ぶ仮の姿としてメイドを選んだのは小林さんの好みに合わせたものだ。

トール「小林さんがメイドがいいって」

そう、トールが女の子だからメイド姿になったわけじゃないのだ。つまり、トールは男の娘メイドという可能性もあるのだ。ドラゴンに性別があるのは、トールの「父と母に受けた恩は下等で愚かな人間でも返せと教わりました」という科白から分かる。見た目(人間)の性別とドラゴンとしての性別が一致していると決まっているとは明言されていない。つまり、トールの口から「私は女の子のドラゴンです」という科白やそれに類似する科白(他のドラゴンから「トールは女の子のドラゴンだよ」という科白でもよい)がなければ、トールが男の娘メイドではなく、正真正銘の女の子であるとはいえないのだ。

さて、肝心の第1話だが、そのような科白はなかった。まだ、男の娘の可能性に縋っていられる。

第2話 第二のドラゴン、カンナ!(ネタバレ全開ですね)

第2話では二人目のドラゴンとして、カンナムカイが登場する。カンナの世を忍ぶ仮の姿は幼女であるが、どうして幼女の姿なのかは特に述べられなかった。理由如何によっては、見た目(人間)の性別とドラゴンとしての性別が一致しているかどうかが分かったのかもしれないのに。だが、カンナはトールのことを慕っており、小林さんにNTRたとも言っている。ここまで慕っていれば、カンナの言動からドラゴンの性別が分かるかもしれない。期待が高まる。

トール「魔法の言葉です。大抵の会話はあれ(マジやばくね?)でいけますから、覚えておくといいですよ」

変な言葉を幼女に吹き込むメイドラゴンがいただけで、ドラゴンの性別が分かる決定的な証拠はなかった。ホッと安心している自分がいた。

第3話 新生活、はじまる!(もちろんうまくいきません)

3人が住むことになり手狭になったアパートを引き払い、広いアパートに引っ越すことにした小林さんとドラゴン。隣人トラブルに巻き込まれつつも、結構いい暮らしをする小林さんとドラゴン。そして、花見を断る口実に宅飲みをする。これは朗報である。トールのお友達のドラゴンがやってくるからだ。まずは、ファフニールファフニールは執事のような世を忍ぶ仮の姿なのだが、これはトールが渡した写真を元に選んだようだ。そして、もう一人がケツァルコアトルだ(ちなみに元ネタであろうアステカ神話の文化・農耕の神ケッツクアトルは男。テスカトリポカの恨みを買い、泥酔させられ近親相姦をしてしまい、神の地を追われる)。ルコアは巨乳であり、小林さん曰く痴女みたいな格好である。ルコアさんがどうして痴女みたいな格好してるかは謎である。

ドラゴンが4人もいれば性別が分かるかもしれない。分からなくても誰と誰が同じ性別であるという情報が手に入るかもしれない。たとえそれだけでも、大きな前進だ。しかし、ぼくの期待はあっさり裏切られる。そのような言動はこれっぽっちもなかった。トールどころか、どのドラゴンの性別も分からない。ショタかもしれないし、男装の麗人かもしれないのだ。巨乳痴女は巨乳痴女であって欲しいな。可能性が万に一つでもある限り、ぼくはトールは男の娘メイドかもしれないんだぞと言い続けていく。そう、固く決心した。

第4話 カンナ、学校に行く!(その必要はないんですが)

集団登校の列を羨望の眼差しで見るカンナ。小林さんは学校に通いたいカンナの夢を叶えてあげる(『日○』で観た)。戸籍なんてあるはずのないドラゴンをどうやって、小学校に転入させたかは疑問ではあるが、文房具やランドセルを手にしはしゃぐ姿は微笑ましい。

第4話はあまり期待できない。カンナが小学校に通うお話で、ドラゴンの性別が分かるとは思えないからだ。しかし、予想に反しドラゴンのオンパレード。おお、ドラゴン同士の会話から今度こそヒントが得られるかもしれない。まぁ、予想通り、何も分からなかったけどね。

トール「そう言えば、私はまだ貴方がたに勝ったことないんですよね」

世界に終焉をもたらす程度には強いメイドよりも強いゲーマーと巨乳がいるとは……。

第5話 トールの社会勉強!(本人は出来てるつもりです)

すっかりこっちの世界での生活が板についてきたトールは会社見学に。小林さんの社畜有能っぷりに惚れ惚れしつつ、無能上司に吠え面かかせるトールに思わずガッツポ。

一方、カンナちゃんは図画工作の授業でお友達を描こうで半デコを描く。二人組作ってで余らないなんて!半デコのアヘ顔に百合と叫びそうになるのを、ドラゴンの性別が分からないんだ、まだ百合と決まったわけじゃないんだと必死で耐える。

ファフニールさんの突然の移住宣言から始まったBパート。戸籍や銀行口座をどうとったのかという疑問を持ってはいけないんだと自分に言い聞かせる。こっちの世界での先輩としてファフニールさんに色々吹き込むトールに、異種間恋愛の障害を説くファフニールさん。純愛は種族を越えるんだ……!

なんやかんでファフニールさんはゲーマーという熱い絆で結ばれた滝谷くんの家に居候することになる。ドラゴンの性別が明示されていないので、見た目は男二人だけど、実際は同棲ってことも有り得る訳で……。

Mr.マ○ックのハンドパワーに驚愕した二人のドラゴンは、小林さんが昔買った超能力の本(忘年会でのかくし芸用だろうな……)に影響され修行を始める。ベタな修行に少年の心が騒ぐ(亀○流の修行とか流○舞とかやってたなー)。小林さんがトールを悟らせる科白に感銘を受けるが、結局最後はスプーン曲げなんてちゃちなものじゃなくて、本物の超能力ってヤツを見せられる。

半デコ「パイナップル入り酢豚。これ嫌いなのよねー」

○京さんも嫌いらしいし、半デコも将来は警視庁きっての天才になるな。

第6話 お宅訪問!(してないお宅もあります)

第6話ではトール以外のドラゴンのこっちの世界での生活が描かれる。

まず初めにルコアさんである。ルコアさんはある少年の家に居候している。興味本位で召喚儀式をしているところに優しさで召喚されに行ったのである。ショタくんはルコアさんのことを悪魔だと思っており、家を乗っ取られると思っている。その誤解を説くためにショタくんの家にお邪魔する小林さん御一行。

結局誤解は解けず、悪魔は悪魔でもサキュバスだと思われてしまうわけだが、ドラゴンの性別を判断する上で重要な話だった思う。ショタくんの家に居候する見返りとして、ショタくんの役に立とうとルコアさんは色々な提案をする。小学生の身空にして人間が出来上がっているショタくんに悉く提案を却下されてしまったルコアさんは、最終的に身体を差し出そうとする。完璧なおねショタにどうもありがとうございますと言いたいところだが、少し待って欲しい。ドラゴンは爬虫類だ。それは次回予告でのルコアさんの科白からも分かる。

ケッツアルコアトル「ぼくの服は鱗だから、ぼく的にはいつも裸なんだけど」

鱗があるということは魚類か爬虫類しかない。こっちの世界に限らず向こうの世界でも陸棲であることから、魚類はあり得ないだろう。爬虫類は卵生である。つまり、ドラゴンも卵生だと考えられる(首長竜の一種には胎生のものもいたらしいが多くは卵生なのでドラゴンも卵生だと判断した)。そう、ドラゴンは乳を子どもに与えないのである。ドラゴンにおっぱいはないのだ。だが、世を忍ぶ仮の姿にはみなおっぱいがある。

何故か。ここにドラゴンの性別を知るヒントがある気がする。世を忍ぶ仮の姿におっぱいがあることは、ドラゴンが人間について詳しい知識を持っていることの裏返しではないだろうか。人間のことを下等生物と罵ってはいるが、人間が性別に限らず、胸の大小で一喜一憂していることを知っている。それが異性を堕とす武器になると分かっているのだ。爬虫類に限らず、他の生物はパートナーを見た目の良し悪しでは選ばない。角の大小や力強さなど、種としての強さで選ぶ。ドラゴンもそうだと言える材料は今のところ明かされてないが、卵生だとすれば見た目の良し悪しで選ぶとは思えない。やはり、種としての強さで選んでいるのではないかと思う。だとすれば、ドラゴンには身体を使って誘惑するという行為は存在しないはずだ。だが、ルコアさんはその巨乳をつかって、ショタくんを誘惑する。その巨乳が男を誘惑するにたりうる武器だと分かっているからだ。ドラゴンの高い知能と人間への知識の深さがうかがえるエピソードだ。

では、なぜルコアさんはあのような世を忍ぶ仮の姿になったのか。トールは自身のおっぱいについて、DragonのDカップだと述べた。このことから、おっぱいの大きさは自身で好きに設定できることが分かる。トールは小林さんの好みに合わせて、ファフニールさんはトールの指示通りに世を忍ぶ仮の姿を設定した。ルコアさんにはそのような理由がないことからも、自分の好みであのような世を忍ぶ仮の姿になったと思われる。

ルコアさんはなぜ巨乳痴女の格好をしているのか。これが分かればドラゴンの性別が分かるはずだ。その判断の一助となりそうなのが第6話である。ルコアさんはショタくんに対して、身体を差し出そうとした点だ。物語上の話からは逸れるが、恐らくこのエピソードはアステカ神話の神ケツアルコアトルのエピソードから来てると思われる。ケツアルコアトルは人身御供を嫌い止めさせた。このことが原因でテスカトリポカの恨みを買い、泥酔させられ近親相姦をしてしまい、神の地を追われる。劇中、ルコアさんがお酒に過剰反応するのはこのためである。人柱と言えば女性である。ルコアさんが女性だからこそ、人柱としてショタくんにその身を捧げたのではないか。

ただ、この説もかなり強引である。ルコアさんが女性を演じきっている可能性もある。あれだけの知能の高さである。人間への知識の深さも考えれば、人身御供としてその身を捧げる女性を演じることは可能であろう。そもそも、アステカにおける太陽の儀式に生贄として捧げられるのは、少年・少女も生贄として捧げれることはあったものの、多くは戦争によって手に入れた奴隷であったらしい。女性であったとは限らないのだ。

一方、ファフニールさんは滝谷くんの英才教育により、完全にオタクになっていた。

第7話 夏の定番!(ぶっちゃけテコ入れ回ですね)

水着回である。いつの間にか専務がご子息と小林さんが懇意であることを知っていたが、相も変わらずショタくんはルコアさんに振り回される。ドラゴンたちは夏の海を満喫する。トールがドラゴンとしての〝宿命〟に悩まされそうになるが、小林さんとの愛の力で乗り越えたりするが、特に何事もなく海水浴が終わる。異種族恋愛が如何に難しいかが垣間見える。

CMが開けると一転してコミ○回と化した。オタクの水着回だ。人間界に来て数ヶ月でサークル参加するファフニールさんのポテンシャルの高さに驚かされるが、滝谷くんのサークルの人気の高さにも驚く。あまり詳しくはないのだが、成り切りコスプレしている人に対して、「成り切りですか」と言うのは失礼じゃないのだろうか。

トールの科白から、ファフニールさんやルコアさんのような存在感のある方々は、人間界にも記録が残っているらしい。ということは、ルコアさんはケツアルコアトルであることは間違いないし、ファフニールさんは北欧神話ドワーフ(ワームに変身する。三兄弟の長男)だろう。神話に基づけば、ルコアさんもファフニールさんも男ということになるのだが、これだけでは確定したとは言えないだろう。

コスプレ参加してる本物の人「(「次の薄い本どうする?」の問いに対して)ドラゴンメイド娘でいいだろう」

これは公式からの出せっていう命令ですね。違う

第8話  新たなるドラゴン、エルマ!(やっと出てきましたか)

トールのライバル、エルマが登場する記念すべき回である。

だが、Aパートではお弁当作りというプロレスが展開される。お弁当作りって本当に大変なんだよな。特に朝の忙しい時間ともなると。小林さんがトールに、カンナやルコアさんたちに好かれる理由が分かる名エピソードだ。

さてさて、エルマさんの登場である。新しいドラゴンの登場であり、それはトールのライバルである。その科白からドラゴンの性別が分かるかもしれない。期待は高まる。それに可愛い。

エルマさんはモデラーシステムエンジニアとして、アイドル養成学校小林さんの会社に中途入社する(パソコンも禄に触れないのにどやって入社したんだ)。もう一挙手一投足が一々可愛い。だが、これがトールの嫉妬を誘い、トールは空回りをして怒られることになる。その際の一幕で、小林さんが「ケツを見せろ」と怒るシーンがある。

トール「食欲だけじゃなくて、性欲も満たす気ですか!?」

かなり下世話な話になってしまうので、詳しくは書かないがお尻(アナル)を見せることと性欲が結びつくのは男性の考えではないだろうか。やはり、トールは男の娘メイドではないだろうか。意味深な描写であった。

一方その頃、ショタくんは淫夢に悩まされていた。

第9話  運動会!(ひねりも何もないですね)

運動会。運動音痴のぼくにとって地獄のような日であるが、カンナや半デコにとってはそんなことはなく、楽しいイベントだそうだ。カンナは保護者として小林さんにも見に来てもらいたいらしく、小林さんを運動会に誘う。しかし、絶賛ハデス討伐デスマ中である小林さんは、一言無理と返す。ショックを受けつつも我が儘を言うカンナに微笑ましいなと観ていたが、それも束の間。一瞬で叩き落された。

カンナ「トール様はお姉さまっぽい。小林さんはお母さんっぽい」

トール様は〝お姉さま〟。ドラゴンのドラゴンによるドラゴンの性別発言である。これはもう決定的だ。トールの性別は女。男の娘メイドでは決してないのだ。そう、『小林さんちのメイドラゴン』は異種間百合アニメだったのだ。この感想もへったくれもない酷い文章の連なりも道半ばで終わってしまったのだった。

奇しくもこの一日前には某ふれんずアニメの主人公の性別が判明したばかりであったーー

最期に

さて、トールは男の娘なんじゃないかというぼくのひねくれた妄想から始まったこれは、9周目で現実を突きつけれれることとなった。書いてて思ったことは下らないこと考えてないで、純粋に楽しんで観ようということだ。アニメに対し、与えれた少ない情報から物語を考察する。これも一つの見方だ。だが、これはぼくには早いんじゃないだろうか。高尚すぎるなじゃないだろうか。そのことが今回、はっきりと分かった。苦しいよなと思いながら書いていたからだ。

それでも、やってよかったとは思っている。下らないことを考えながら観るのは楽しい。文章を書くのも楽しい。それは今までの投稿からも感じていたことだ。これも毎回書いてることだと思うが、是非みんなも書いて欲しいと思う。

そして、最後になるがぼくは男の娘というジャンルが苦手だし、百合が大好きだ。こんなことをだらだらと書いておいてと思うが、自分の趣味趣向はそう変わるもんじゃない。ぼくはこれからも百合に生きていこうと思う。